メディカル関係者からのアドバイス
大会前の体調管理
大会までの体調管理について教えてください。
!体調管理のポイント!
・規則正しい食事と睡眠
・無理のない範囲で走ることが一番大切
・気温や天候に留意し、ウエアの防寒対策
・かかりつけの医師に相談の上、当日のお薬の飲み方を確認
・前日から当日にかけての食事は、生モノはなるべく避けてお酒の飲みすぎにも注意
・当日の朝食は、すぐにエネルギー源になるバナナなどがおすすめ
・スタート前には体温チェックと、十分な体調管理
・走っているときは、水分補給を忘れず、エネルギー不足にも注意
・無理せずマイペースで走ることが大切
・体調が悪くなったときは救護所を利用
気温に応じた対応策
大会当日の気温が心配です。気温に応じた対策を教えてください。
神戸マラソンは、当日の最高気温は12℃~21℃と10℃近い幅があります。またスタート時の気温と最高気温との差も4~5℃あったことが過去3回ありました。
!気温対策のポイント!
・当日の気象予報をチェック
・着脱しやすい服装を準備する
・ウォーミングアップ時に気温や自身の体調を体で感じてみる
過去の大会の気温
- | 9:00 | 12:00 | 15:00 | 16:00 | 最高 |
第1回大会 | 17.5℃ | 18.5℃ | - | 17.5℃ | 19.5℃ |
第2回大会 | 11.5℃ | 19.5℃ | - | 15.5℃ | 19.5℃ |
第3回大会 | 13℃ | 16.5℃ | - | 17.5℃ | 18℃ |
第4回大会 | 15.5℃ | 19.5℃ | 19.5℃ | - | 19.5℃ |
第5回大会 | 19.5℃ | 21.5℃ | 21.5℃ | - | 21.5℃ |
第6回大会 | 19.5℃ | 20.5℃ | 20.5℃ | - | 21℃ |
第7回大会 | 10.5℃ | 12℃ | 11.5℃ | - | 12℃ |
第8回大会 | 14.5℃ | 17℃ | 18℃ | - | 19.5℃ |
第9回大会 | 16.5℃ | 18℃ | 19℃ | - | 19℃ |
第10回大会 | 16.5℃ | 17℃ | 17.5℃ | 17.5℃ | 18.5℃ |
競技中に気を付けること
熱中症・低体温症のメカニズムと対応策を教えてください。
熱中症は熱により身体に害を受けることです。水分摂取不足による脱水の進行が、体温上昇を促し、重症になると生命の危機にさらされます。
!熱中症対策のポイント!
・発汗に応じて、こまめな水分補給を心がける
走行中に気分不良、ふらつき、頭痛などの症状が出た場合は走行を中止し、走路員に声をかける
一方、低体温症ですが、直腸温が35℃未満の状態のことで、28℃未満は重症と定義されています。レース中に天候が変化し、時に冷たい雨や風にさらされることがあります。疲労によるペースダウンと同時に、汗が冷えて低体温症に陥ることになります。
!低体温症対策のポイント!
・適切なウエアの選択と体調に合わせた走行ペースを維持できる走行
・熱産生のエネルギー源である糖質を補給する
レース中及びレース後の体調管理について教えてください。
!気を付けるべきポイント!
「激しい全身のこむら返り」
レース中盤で汗をかき、水分とともに塩分も喪失していると、中等症の熱射病、熱ケイレンを起こすことがあります。激しいこむら返りのような筋肉痛が特徴です。水だけでなく(水ばかりを多く飲むことも問題)塩分(塩タブレット、塩飴、電解質補水液)をレース中こまめに摂取することが予防になります。
「走行中、体が傾く」
脳卒中のサインかもしれません。すぐに救護所や沿道のスタッフに声をかけ、救急車を呼んでもらいましょう。第4回大会ではメディカルランナーが蛇行して走っているランナーを発見して救助し、幸い大事に至らなかったことがあります。
「急に立ち止まらない」
下肢の筋肉は走行中、心臓に向かって血液を押し戻しています。これをミルキングアクションといい血液の循環を助けています。このミルキングアクションが急になくなると、心臓に向かう血液も少なくなり、一時的に心臓が空うち状態となります。失神や転倒、ひどい場合は致死的な不整脈を引き起こして心臓がとまってしまうことさえあります。レースが終わったあとは、しばらく歩きながらだんだんと運動強度を下げてクールダウンすることが必要です。
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