ニュース&メディア News & Media 2017.10.19 一覧へ戻る 医師から給食についてアドバイス 「神戸マラソンメディカル協議会委員」で「日本医師ジョガーズ連盟」所属の、清成則久(きよなり のりひさ)先生から、神戸マラソンの給食についてアドバイスをいただきました。 マラソンをはじめ長時間の競技では、脱水や熱中症予防に給水(水分補給)が重要であることは、今や一般の人にもよく知られています。 ランナーの皆さんは、レースや練習中、こまめな給水を心がけておられると思います。 しかしながら、競技中に突然、脱力感に襲われて失速し、競技継続不能となることがあります。 その原因の一つとして意外に多いと考えられるのが「低血糖」です。 低血糖というと糖尿病の治療中に、インスリンなどの治療薬が効き過ぎて起こることがよく知られています。 しかし健康な人でも特に運動中に、顕著な低血糖を起こすことがあります。 マラソンの長い一日を皆さんの日常生活と重ねてみてください。 朝早めの朝食を摂り会場へ、着替えを済ませスタートまで整列。 9時にスタートし、そこからずっと走っているわけです。 よく考えてみるとフィニッシュに4時間以上かかるランナーは、昼飯抜きで走っていることに気がつきます。 脳は常に多量のブドウ糖を使い続けているので、血糖値が下がると身体に運動抑制をかけます。 そのため動けなくなり、走る意欲も失います。 また、一度低血糖に陥ると回復にも時間がかかります。 低血糖そのものも危険な状態ですが、ペースダウンとともにいっきに身体が冷え、震えながら虚脱状態に陥る「低体温症」のランナーもよくみかけます。 低体温症は低血糖が引き金になることも多く、最悪の場合、心肺停止に至ります。 このため、熱エネルギー源である糖質を早い段階から定期的に摂ることが勧められます。 神戸マラソンでは「メディカルランナー」という医師、救命士等の資格をもったランナーが医療パトロールをしながら、皆さんと一緒に走っています。 コース上で失速したランナーを観察したメディカルランナーから「脱水」よりむしろ「低血糖」のランナーが多いとの報告があり、昨年まで21.1kmまでカロリーのある給食ポイントがなかったのですが、今大会から10.8km地点(須磨一ノ谷プラザ)でバナナ3000本(9000食)が提供されることになりました。 バナナは高カーボ食で、すみやかに血糖を上昇させ、胃腸への負担も少ないことから、マラソン競技にとても適した食品と考えられます。 ただ、吸収が速い分、血糖維持が長続きしないことも覚えておいてください。 各エイドできっちりと補給する以外に、使い慣れた糖質食を携行することをお勧めします。 では、楽しく安全にフィニッシュをめざして頑張ってください。 市民広場フィニッシュゲートでお会いできるのを楽しみにしています。 一覧へ戻る